やわらかな雨を

胸の震えが止まらないまま
ゆるやかな坂道をのぼる
風雨にゆれている
うすももの紫陽花
コスモスの若葉に囲まれた
大輪がいくどもおじぎする
いま あの人はこんなにもやわらかな雨をうけているでしょうか

「あれから悲しい思いでいっぱいです」
人生は急な登り坂
時にはそんな言葉が漏れるのでしょう
けれども
いつも海は山を抱(いだ)いているのです
あの時 それを強く感じました

海は悲しいブルーをしています
山は恵みをうけつつも
海のふらす雨とともに自らの水を流すだけです
そして 海はそれをもうけ入れるのです

海はうす紅の雨雲を創り
今日も人々にやわらかな雨をふらします



※大阪詩人会議『軸』78号(2003.11.10)、紫陽の会『紫陽』2号(2004年1月20日)
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# by Fujii-Warabi | 2006-10-23 10:50 | 藤井わらびの詩

楽しみの天才

君たちの表情を見ていると
涙が止めどなく頬を伝うんだ
人間に笑わされた顔

君たちの姿を見ていると
僕の少年時代を思い出すんだ
家と学校に閉じ込められ
過剰な「協調」を求められた日々

人間以上なんだ
君たちは
殺し合いをせず、争いすらせず
何事も前向きに考える
楽しむ天才なんだ

  解  放

人間の道具にするな!
僕たちの心など癒さなくともよい
それは僕たち自身の問題なんだ
君たちは君たち自身のイルカ生を謳歌してほしい



※詩人会議『詩人会議』2003年11月号(vol.41)「自由のひろば」入選作品
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# by Fujii-Warabi | 2006-10-23 10:39 | 藤井わらびの詩

「シャヒード、100の命」展によせて

わたしが「わたし」ではなく「35」
ならばイヤだ
わたしが「わたし」ではなく「11428」
でもイヤだ

この社会のありとあらゆる人々が、物が
数量化され
個体を亡くしてゆく

身分証明証が今月あたり
発行されるという
ただ生を管理するために
ただの数字にするために

100の命
“100”
観るまでは大きな数字ではなかった
けれども
百人には
百人のストーリーがあり
百人のドラマがあり
百の顔を持つ
その家族・親族・友人は何十人にも
何百人にものぼるのだ

重すぎる
一つの命には何百もの
何万もの命が関わっている

9・11のみの偏ったストーリー
うまく仕立てられたドラマ
(お涙ちょうだいもの?)

「イマジン」
ジョン・レノンの歌がよく歌われた
流された
その人の生きた時代から少しも進歩していない証拠だろうか

でも
イマジン
想像を働かせるより他にないのだ
情報操作されたなかでは
難しいことかもしれない

次には
シンク
考えてほしい
百人の命を、顔を
殺されなければ・・・、ということを

遺品はそのきっかけとなろう

                                (二〇〇三年八月二九日)



※「シャヒード、100の命」展は、2003年10月7日~19日大阪人権博物館リバティ大阪にて開催されました。URL: http://www.shaheed.jp
この詩はリンク集にあります。

※紫陽の会『紫陽』2号(2004年1月20日)、風歌『畑からのあいさつ』9号(2003.11.1)掲載作品
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# by Fujii-Warabi | 2006-10-23 10:34 | 藤井わらびの詩

私たちはより人間

ねぇ、お姉さん
そんなに心配することも、そんなに怒ることもないのよ
だって、私たちのそばには神さまがいらっしゃるから
必ず報いられるものなのよ

明日は終戦記念日ね
多くの精神障害者が餓死していったわ
彼らは邪魔者として隅へ追いやられ
「生きる」ことを奪われた
今も光が当たらない

私たちは最期まで生きましょうね
浮かばれない先輩たちの分まで取り戻しましょうね
私たちが「生きる」社会は豊かになる
先輩たちの祈りを実現させましょうね
私たちは人間
より人間

                        (2001年8月14日)



※全国「精神病」者集団vol.29、no.3(2003.6)、紫陽の会『紫陽』創刊号
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# by Fujii-Warabi | 2006-10-16 12:35 | 藤井わらびの詩

私を支える大地

人の温かさを受け入れられなくなっているときは
もう自分ではないでしょう
ただ振り返りアラ探しばかりはじめた
それはもう過去の自分でしょう?
緑が噴き出るこの大地に
「幸せ」が求められないはずがないでしょう
夢を差し出してくれる生命(いのち)たちに
「果て」などないでしょう?

自分が信じたこの道を歩いてゆけばいいのだよ
と踏みしめた一粒一粒が教えてくれる
小さな目線が私の足を支える
ひとりで歩いているなんて傲慢でしょう?
あなたがたがいつもいる
その限り私は歩いてゆけるでしょう



※大阪詩人会議『軸』76号(2003.3.20)
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# by Fujii-Warabi | 2006-10-16 12:33 | 藤井わらびの詩

小さな若葉に

こんなに小さな若葉でさえも
一心に光へと手を伸ばす
私たちは間違っているのだ
水がほしくて差し出した手に
爆弾を握らせる
子どもたちは生きる源を教えてくれるのに
年月を空費しただけの私たちの
何と愚かなことよ
「何か」を起こさないよう
日頃からの地道な水まきこそ大切なことなのだ



※詩人会議『詩人会議』「青い窓」2002年3月号(vol.40)
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# by Fujii-Warabi | 2006-10-16 12:29 | 藤井わらびの詩

ポエム・バザールに出店しました。

10月8日(日)にキャンパスプラザ京都で開催されたポエム・バザールに紫陽の会も出店しました。
昨年は調子が悪く、相棒の京谷のみが参加したのですが、今年は頑張って行って来ました。実は先週38度の熱を伴う風邪を引き、久々に風邪症状のフルコースを味わったのですが、風邪が治りきらなくて結構キツかったです。
でも、『紫陽』の売れ行きは抜群に良くて、昨年の売り上げ7冊をすぐ越え、24冊売り上げました。足を止めて、熱心に読んでから購入された方が多く、200円という安さも魅力的だったと思われます。
その後は交流会で、知らない人ばかりなので初めは緊張しましたが、お酒も入り、和気あいあいとした雰囲気になり、いろんな詩人と友達になりました。とにかく楽しかったです。来年ももちろん二次会まで参加したいです! 
しかし帰りに携帯電話とオーダスのボールペンを紛失してしまい、皆さんにご迷惑をお掛けしました。無事にその日のうちに返ってきて、本当に感激しました。これからは帰るときには周りを見て、落し物がないか確認しようと思います。

来年は是非、『紫陽』の投稿者・愛読者にも参加してもらいたいですね!

第六回ポエム・バザールの様子はこちら→ http://poezaru.ty.land.to/
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# by Fujii-Warabi | 2006-10-14 10:56 | 紫陽の会

はじめまして。

藤井わらびと申します。ここには主に文芸誌に発表済みの詩を掲載してゆきたいと思っています。

私は相棒と『紫陽』という詩誌を編集しております。年3回、1月、5月、9月発行。投稿制ですので、趣旨に賛同していただける方ならどなたでもOKです。ラディカルな作品を歓迎します。
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# by Fujii-Warabi | 2006-09-24 14:52