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河津聖恵さんの詩集、オスカー・ワイルドなど。

なんとはなく憂鬱である。
最近あまり外へ出ない(出られない)ので日光不足なのかもしれない。
うちにいるとついついお菓子を食べてしまい、
どうやらチョコレート中毒になってしまったようで、
断酒ならぬ断チョコ中。
甘いお菓子もほとんど抜き。
今日で3日目。
1日目は足が震えていたが、今日は大丈夫のよう。
その代わりにワインを飲んでいる。
アル中にならないか?と思ったが、
これは大丈夫。
50mlも飲むと体がうけつけないので。
この量だと体が暖まって心地がいい。

食べもののことが頭をまわるのがいやで
昨日は詩を読んでいた。
河津聖恵さんの『神は外せないイヤホンを』と
オスカー・ワイルドの「Roses and Rue (To L.L.)」。
河津さんの詩からは世界に向かい合う真摯な姿、誠実さが溢れていて
詩集は白い魚のよう。
鋭さとやさしさが地下水脈からこんこんと湧いてくるようで
自分の心が洗われていくような清々しさがある。
私にはまだまだ遠い、憧れの詩です。

河津さんは「詩のテラス」というブログをされていますが、
そこで『紫陽』のことも書いてくださっています。
http://maruta.be/terrace_of_poem/102

オスカー・ワイルドのほうは朗読CDを聴いて、その美しさに心打たれた詩で、
原詩と日夏耿之介をつき合わせながら読んでみた。
その美しさは日本語には置き換えられない、
というのはわかった話だからいいのだけれど、
初歩的な文法の間違いによる翻訳ミスのため
原文で読んだ方がわかりやすい。
この詩は悲恋の詩で、オスカー・ワイルドが同性愛者であったのがよい。
男性が女性への愛をうたった典型的なものは
私にはしっくりこないので。
男女問わず読める恋愛詩の古典だと思う。
(いつか友人達と英詩を読むちょっとした集いを持つのが今の夢。)
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by Fujii-Warabi | 2008-12-23 16:28 | 芸術鑑賞

キェシロフスキー映画『デカローグ』

ご無沙汰しております。
最近、不調でひきこもりしています。
こういうときはことばもでなくて、書き言葉どころか話す言葉も出てきません。
…でもこれを書いているということは少し脱しつつあるのでしょう。
ただ数百㍍歩いているだけで右脇腹が痛くなるほど体が歪むので憂鬱になります。

(先月末の話。)
そんなときにはうちで映画。
ポーランドの監督・キェシロフスキーの『デカローグⅢ、Ⅳ』、オルミ、キアロスタミ、ケン・ローチのオムニバス『明日への切符』をレンタル。
キェシロフスキーは私が一番好きな映画監督で、『デカローグ』を借りるのは2度目。
この映画は「十戒」をテーマにした作品で、つまり10作のシリーズものです。
予算がつかず、一本一時間のテレビ向けに制作、「ある愛に関する物語」「ある殺人に関する物語」は傑作とされ、劇場用に編集しなおしたバージョンもあります。
今回観たのは、「あるクリスマス・イブに関する物語」と「ある父と娘に関する物語」。前者が印象深く、主演女優の演技にも惹きつけられたのですが、今回は後者のほうがうまくできた作品のような気がしました。
「娘」が演技指導を受けるシーン、眼鏡を合わせるための検診のシーンなどが本筋と直接関係がないだけに詩的で、テーマと微妙に絡み合いつつもこれ自身で光っていました。(このあたりキェシロフスキーと趣味が合うな…。) また、光の映し方も深みがありました。

『デカローグ』シリーズは「十戒」をテーマにしながら、今のカトリック的なものでなく、逆に「宗教」とはなんなのかを突き付けるような内容です。そのため、「弱い人間」がたくさん出てきて、多くの罪を犯します。「不倫」「殺人」「盗み」「重ねてゆく嘘」など。でも、それはもともとの旧約聖書で描かれている人間像なのです。この映画は現代の聖書です。
キェシロフスキーは個人を徹底して描きつつ、誰をも責めません。「愛」「赦し」が宗教の一番の理由なのです。
ポーランドは20世紀、「政権」と「カトリック教会」が権力となり、人々の内面をも支配してきました。キェシロフスキーは映画制作に介入してくる権力に負けずに(時に「妥協」しながら)、ソ連・東欧崩壊までボーランドでポーランドを舞台に映画を撮り続けた希有な監督です。「当時、民衆だけが味方だった」と彼は振り返っていましたが、この映画も「カトリック的」でなく、教会や批評家たちに相当バッシングされたようです。そこまでして監督が伝えたかったものは普遍的なテーマで、この映画は歴史に残る名作でしょう。スタンリー・キューブリックは生前、「この20年間で一番素晴らしい映画」と讃えていました。

『明日への切符』も同様に傑作でしたが、疲れたのでまた次回。
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by Fujii-Warabi | 2008-12-09 22:44 | 芸術鑑賞