カテゴリ:藤井わらびの詩( 29 )

エウメニデスⅲ53号

詩誌『エウメニデスⅢ』第53号に詩を寄稿しました。

購読希望の方はご連絡ください。

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by Fujii-Warabi | 2017-03-18 08:30 | 藤井わらびの詩

ほとんど海

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ほとんど海。
産みの苦悩に身を沈め
人寝しずまる海底へと
降りてゆく。

こんな秋晴れの空に
すっぽりブルー。
心の小石は洗われ、浄められ
わが本心現れる。
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by Fujii-Warabi | 2015-11-03 22:57 | 藤井わらびの詩

Love in Cage

 映画をつくっている友人が次の映画の構想を語ってくれ、私がそれをモチーフに詩をつくって送ると、映画に使いたいとのこと。
でも、それは3年半も前のことだからすっかり忘れていて、今日、友がフェイスブックでシェアしている曲を聴いてびっくりした。こんな素敵な仕上がりになっていたのね。フランス語訳(と思われる)にうっとり。反省。


https://soundcloud.com/slogan-x/cosmos-indigo-feat-pierre-lilvestri-ai-yamaguchi


Love in Cage

                 藤井わらび

―籠の中

鳥のような僕の愛

昼は太陽 夜は月が

そのまわりを巡る

朝は熱せられ 夜は白く輝く

は胸の中で抱きしめられ

どうしようもなく膨らんでゆく

爆発

して いつか扉が開くとき

彼女は肉を纏い

目の前に現れるのだろうか?

森の中

囁きのような君の視線

決壊寸前

まで降り注ぐ春の雨

帰り路を急ぐ

鳥の群れ

君のまなざしから

溢れるのは

この世に生まれたばかり

の君の愛

―それは一体誰のものだろう?





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by Fujii-Warabi | 2014-09-17 23:11 | 藤井わらびの詩

「空」 藤井わらび 'Sky' FUJII Warabi

初めてこういうものをつくってみました。
I made such a thing as this for the first time.



poem & reading & selection of pictures : FUJII Warabi
music & editing : Janet Fukuda
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by Fujii-Warabi | 2012-05-17 11:00 | 藤井わらびの詩

white circle

白い羽毛の舞うなか
 白い便器
に座る 天使のあなた
天国の卵が雲を転げ
ミルクが地上へと零れる

 それを神の恩寵だと受け取るのは誰?

便器から生まれ羽ばたいてゆく蛾たちは
天使の姿に似て
真夜中の地上に無限の夢をもたらす

 神は人間の姿に似せて創られた
都合よく!

溜め息のシャボン玉が天空へと向かう
それは天使の描く円にすっぽりと収まり
衛星になって回っている
 終わりもなくはじまりもなく

また蛾の瞬きと
ともに
ミルクが降る 零れる
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by Fujii-Warabi | 2011-10-26 18:36 | 藤井わらびの詩

黒い犬

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※『紫陽』22号掲載
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by Fujii-Warabi | 2011-10-15 12:14 | 藤井わらびの詩

無題の日常


わたしは未来行きというタイムマシンに乗って
旅を続けている
この同じ小部屋にやって来ては去ってゆく旅行者
イギリスからフランスからインドから韓国から
日本の各地から

注文を受けて皿を出す
豆乳プリンをよそう
さぁどうぞ召し上がれ

Thank you!
ありがとう。美味しかったです。
ほほえみ 札(さつ)を出し 釣りを受け取り 戸を開ける

わたしの日常をすーっと吹いてゆく
なにものかわからない風たち
旅人がもたらしてくれるわたしの旅

新しい出発は平凡な井の底から
始まっている 
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by Fujii-Warabi | 2011-07-15 19:10 | 藤井わらびの詩

光り輝くもの


オリーブ油をあげましょう
聖書の時代の王へと注ぐやり方で
頭のてっぺんからたっぷりタラタラと、香り立つ黄金の油
   などと想っていたら
彼女は万能油でないと酸化してしまう、と
彼が100均で見繕ってきた油をサッと足に差してくれた

「火の鳥~復活編~」のチヒロのような妖精的美人
シューマンの相棒のように健気で頑強な光り輝くクララ
私の友よ、と言ってみても
私の体とは根本的に造りが違うということは認めざるを得なかった

        * * *

〝放置しないで!〟
と子どもの字で書かれたスーパー脇の看板
あなたはここでいつも抱えきれない食品でヘトヘトの
私を待っていてくれた
(あなたは何も食べないのに……)
そんな日常がバーゲンのチラシとともに風と去り
今は
手枷 足枷 その上数字をふられ、
人質となる
二時間の辛抱だ
とはいえ
私があなたを繋ぎ
158
となる元クララ
その数字を私は今晩床に着くまで覚えているだろう
反復の日々を生きる私は
三日後もまた
158
に来てしまうのだろう
こうして創氏改名は進み数字に蝕まれていってしまうのか

見渡す限りの繋がれた彼女ら彼らすべてを
いつかハーメルンの笛吹きがぶっ壊したメロディーを口ずさみながら
アンドロイドの郷へと誘い連れ去ってしまいたい
万能油の湧くゆるゆるとした温泉天国へ


※『詩悠』2号(詩悠会出版、2010)掲載作品
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by Fujii-Warabi | 2011-04-24 02:45 | 藤井わらびの詩

ゾーン


漂い ただ寄ってゆく
"幸福"という名の神なる魔物のほうへ
人はいつも水のなかで眠り
おぼろげな夢のなかで望みに気づく

人影もなく 黒い不吉な犬がよぎる
でも気にしちゃいけない
そいつさえも生き物であり
同伴者となりうるのだから

人生はみな暗い洞窟だ
自分の声より
先に歩いた見えない者の声が響いている

私は何を想っている?
石を投げる
何が返ってくるか?
期待したとおりでは退屈し
予期せぬ事態には焦り戸惑う

愛は神聖な場所にはない
法則もない
痛みを負う覚悟なしにもない
近づいたと自負すれば
また振り出しに戻っている
〈愚か者〉なのだ


※アンドレイ・タルコフスキー『ストーカー』を観て
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by Fujii-Warabi | 2010-05-20 11:03 | 藤井わらびの詩

小さな夢をみた


シャガールのように
羽のない私の薔薇が飛翔する
ほんの小さな夢をみた
雪がしとしとと降り始める夕べ
明日は銀世界
そんな奇蹟の足音を待つ気持ちで

ぼくも わたしも
重ね合う手のぬくもりのように
一瞬"はかなさ"がゆるむ

ほんの小さな夢をみた
雪待草が春を待てず
雪の雫を真似て顔を出す
夜空にはすべてを超え自由に翔ぶ恋人たち

いつか溶ける という
不安の潮が引いて
朝日を迎えいれるような

束の間の夢をみた
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by Fujii-Warabi | 2010-05-20 10:53 | 藤井わらびの詩