ふえる・うえる・かえる

うちのアルベールはいつもにっこり
おなかぽっこり
とても愛らしいフランスがえるさんなのです

街にはかえるさんグッズが増えています
うちにはさんしょう魚のなごみちゃんまでいます
疲れた都会人はそののどかさに癒されているのです

かえるさんは田んぼや川から姿を消しかけています
こんな薬漬けの環境に耐えきれず
かえるグッズへと魂を移し替えざるを得なくなったのです

オプティミストのかえるさん
それでも笑っていたいのです
末永く生き続けたいのです
今日も店頭で山積みにされ、にっこり微笑んでくれます
古里を捨てた私に

かえるさんは貧しい人々が大好きです
心ばかりでなくおなかにだって住めるから
グゥーグゥーグゥー
イの中のかえるさんは鳴きます
もう外の世界へは戻れません
泣きたくなったら
グゥーグゥーグゥー
生き続けます
貧しい人々の体に乗り移り
クワを翳(かざ)してたたかいます



※紫陽の会『紫陽』8号(2006年1月20日)
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by Fujii-Warabi | 2006-11-01 16:40 | 藤井わらびの詩
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