のっぺらぼうの風船

風船たちはふわりふわり いつの間にか飛んでいってしまったのです
わたしの手を離れ よくわからないどこかの街へ
しっかりと握りすぎていると潰れるし
緩すぎると そう こういう風です

風の吹くままに飛んでゆくのでしょうか
右から吹けば右へ
昨日から吹けば昨日へ

風船たちよ ここにいなさいよ
言っていたのに いつの間にかいなくなる
あのとき叩き割ったほうがよかったのかしら
右へ昨日へと吹かれてゆくよりも
風をつくるにはわたしの力は少し足りないかしら
でも もうそれ以外には道はないのです
赤い丸を一つつけられたのっぺらぼうの風船たちには



※紫陽の会『紫陽』第4号(2004年9月)掲載、一部改稿
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by Fujii-Warabi | 2006-10-31 00:01 | 藤井わらびの詩
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