純白の花嫁

純白のドレス
足早の父に腕を引かれ
穢れた足で歩くバージンロード
(この道はどこへ続くの?)
わたしは見知らぬ男の隣りに並んだ
どうやら結婚式が始まるようだ
(いったい誰の?)

神父は語りかける
「健やかなるときも病めるときも……よき夫となることを誓いますか?」
「はい、誓います。」
誰か奇声を発してくれ
この「結婚」は偽物だと
どうして進むのだ?
神は沈黙しているのか?

どしゃぶりの雨が止まない
花嫁はずぶ濡れだ
せっかくの衣装も台無し
しかし何故こんなものを着せられてしまったのか?

鐘が鳴り響く
変色したドレスがざわめく
何故鐘は鳴り止まない?
頭が割れるようだ
 いいだろう
この素性のわからぬ男に殺されるのも
ただ殺人者には……

血に染まった男
の手が私の首に食い込む
これが神を冒涜したわたしへの罰なのか



※詩人会議グループ風歌『畑からのあいさつ』第12号(2004年9月28日)掲載
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by Fujii-Warabi | 2006-10-30 23:59 | 藤井わらびの詩
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