やわらかな雨を

胸の震えが止まらないまま
ゆるやかな坂道をのぼる
風雨にゆれている
うすももの紫陽花
コスモスの若葉に囲まれた
大輪がいくどもおじぎする
いま あの人はこんなにもやわらかな雨をうけているでしょうか

「あれから悲しい思いでいっぱいです」
人生は急な登り坂
時にはそんな言葉が漏れるのでしょう
けれども
いつも海は山を抱(いだ)いているのです
あの時 それを強く感じました

海は悲しいブルーをしています
山は恵みをうけつつも
海のふらす雨とともに自らの水を流すだけです
そして 海はそれをもうけ入れるのです

海はうす紅の雨雲を創り
今日も人々にやわらかな雨をふらします



※大阪詩人会議『軸』78号(2003.11.10)、紫陽の会『紫陽』2号(2004年1月20日)
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by Fujii-Warabi | 2006-10-23 10:50 | 藤井わらびの詩
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