「片づける」という言葉が私の辞書にはない。
書き加えてはいつの間にか消え、また直すの繰り返し。
母は父と妹に「何個ハサミを持っているのよ!」と怒っていたが、
実は私も狭いうちの中に6個隠し持っている。
なので、父と妹と私の見えぬ絆はハサミである、と結論を出した。
なくしたら買えばいい、と思ってるのよ、と母は愚痴るが、
私もハサミはそんな感覚だ。
いくつあってもいいもの。
もったいない、となにもかもを溜め込む母
とあっちこっちほっつく、母以外の三人。
尻から出る糸で行き先を線でなんとなく繋ぎ、
絡まりそうになってハサミで全部切ったりする。
お片付けとはハサミでカットすることなのだ。
だから、様々なハサミが必需品なのだ。