日曜という一日


 日曜は不思議な一日だった。

まず、友人Tとギャラリー OUT of PLACE で「しりあがり寿 わしはもう寝る展」を観る。
迷いのないラインの美しさに気づく。
絵は全国巡回しているものも合わせると千点あり、一点一点はざっくり描かれているのであろう、と推測する。だからこそ、日頃から何を観、何も想うのかが線に現れやすいのではないか、身体まではごまかせないだろうから、などと思う。

その後、隣の絵本カフェ パビリオン で、くつろぐ。
持ってきた紙とペンで、準備体操的に下手くそならくがきをする。
注文したプリンは濃厚で絶品。コーヒーと紅茶がとても美味しいお店なのだけれど、
カフェインアレルギーの私は我慢。
詩的な空間で、時間を忘れて居ついてしまいそう…。

時間に遅れそうになり慌てて、藝育カフェSankaku へ。
これがこの日の一番のお目当て。
らくがきマイスター・吉田賢司氏の「ハルヌルカク」ワークショップである。
私はワークショップなるものがかつては苦手であった。
なぜなら、幼稚園・学校の授業をつい思い出してしまうから。
楽しいことをしましょう、と上から押しつけがましくされるのが不快だった。

でも、昨年末にNAPの忘年会で、Sankakuのワークショップコーディネーター・やまもとあつし氏の話を聴いて、ここのワークショップは違う!面白そうだ!と感心し、
また、「らくがき」のワークショップなるナンセンスさに惹かれて、
参加してみることに…。
友人Tも誘ったが、着いてみるとちょっと不安になる。
なぜかというに、マイスター・吉田さんがすごく緊張していたからだ。
それをほぐすべく、私はくだらないことを言い続けたが、
あまり効果なし。  
でも、吉田さんのイラストを画用紙やフランスの書物のコピーを自由に貼り付けて、
らくがきしてゆけばいいのだから、問題はなし。

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↑かなり真剣に作業してます。
この過程で色々考えました。最初の一時間は楽しかったのに、
考えすぎてそのうち訳がわからなくなってきました。

で、2時間半ぐらいで完成したのがこれ。
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なんじゃこりゃ!であります。

左上に文字をいれなきゃいけないっていうことで、ここからおしゃれに始めたのがそもそもの誤り。
そのうち絵の力に引きずり込まれて、恐~いコラージュになってゆきました。

もちろん、出来たときは「やった!!」と嬉しかったですよ。
意味も考え、意外と細部に凝ったりしたので。
 自分はどういうものをつくりたいのか、や、物作りのアプローチの仕方などがわかってきて、今後の創作活動のためになったと思います。
もちろん、何ができて何が不得手なのかも。
発芽のような作品づくりでした。

作品はきちんと額に入れてもらいました。
うちに飾っております。恐いので天井近くに(笑)。


(ワークショップ中、相棒来る。写真は彼の撮影によるもの。)

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↑吉田賢司さんの作品。
エルンストがお好きだそう。
気さくなお人柄で、ちょっと恐い絵。面白いです。


その後は店主のやまもとあやこさんによるお菓子と珈琲でした。
これがまた凄かった! お皿にワッフルと生チョコ・生キャラメル・生クリームが置かれていたのですが、
大きなスペースがあって、ここに白・黒二本のチョコペンで絵を描いてください、と。

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友人Tはさすが「うんこ詩人」! うんこを描き始めた
と思ったら、最終的にはイモムシマンに…(本人に訊かなかったので真相はわからず)。

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私のほうは可愛らしく、かたつむりとお花です。

余ったチョコペンで、コーヒー・アートを
と思ったのですが、揺れ動いて絵が描けず、ギョウ虫状態に…。
でも、その動的な状態が面白く、
みんなで「わぁ~」と盛り上がりました。

このアート・スイーツが美味しかったのは言うまでもなく、
心も満たしてくれました。
これで二千円は安い。

吉田さんもあやこさんも褒め上手、というか感激屋で、
Sankakuさんでは、なんだかずっと嬉しかったです。
素敵な時間をどうもありがとうございました。

そして、次はギャラリー「勇齋」へ
父の古くからの友人・道北英治さんの個展を観に行きました。
(ここで、友人Uと合流。)

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実にシンプル、そして美しい作品でした。
石舞台やストーンヘンジのような、時空を超えた力を感じました。
作品はぐるっと円を描くように並べられていて、その内側に私たち人間は座っていたのですが、
祭祀場にいるかのようで。

長い年月をかけ、世間にこびずにひたむきに芸術すると
こういう作品になるのでしょう。
ブロンズでできた作品も石の重みをもっていました。

作品については、相棒の批評が的を射ていると思うので、こちらをご覧ください。
http://zatsuzatsukyoyasai.blogspot.com/2011/01/blog-post_17.html


道北さんは私が小さい頃から知っている方なのですが、
親元を離れて以来顔を合わせることもなく約20年の歳月が流れ、
このようなアートの世界で再会できたことがすごい驚きでした。
私は12年前まで父親以外の展覧会にほとんど行ったことがなく、
立体アートなど無縁の世界だと思っていました。
人生とはわからないものです。

人生の予想外の展開と同じく、
この日はまだ先があり、隣の酒蔵「ささや」へ。
日本酒のテイスティング、
というか、立ち飲み屋で酒の飲み比べという風情でした。

そして締めは英国パブ The Wembley Crown へ。
お菓子に酒にビールにフィッシュ&チップス等々、食って飲んで喋って、
作品づくりして、作品を観て、交流して、
帰りの電車ではOUT of PLACEのスタッフさんにたまたま出くわして、
となんとも不思議な一日でした。

奇妙で楽しい人生、万歳!
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by Fujii-Warabi | 2011-01-18 17:21 | 芸術鑑賞
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