ディラン・トマスの詩「あの快い夜のなかへおとなしく流されてはいけない」

   Do Not Go Gentle Into That Good Night
                          Dylan Thomas


Do not go gentle into that good night,
Old age should burn and rave at close of day;
Rage, rage against the dying of the light.

Though wise men at their end know dark is right,
Because their words have forked no lightning they
Do not go gentle into that good night.

Good men, the last wave by, crying how bright
Their frail deeds might have danced in a green bay,
Rage, rage against the dying of the light.

Wild men who caught and sang the sun in flight,
And learn, too late, they grieved it on its way,
Do not go gentle into that good night.

Grave men, near death, who see with blinding sight
Blind eyes could blaze like meteors and be gay,
Rage, rage against the dying of the light.

And you, my father, there on that sad height,
Curse, bless me now with your fierce tears, I pray.
Do not go gentle into that good night.
Rage, rage against the dying of the light.


 あの快い夜のなかへおとなしく流されてはいけない
                           ディラン・トマス
                           鈴木洋美 訳 

あの快い夜のなかへおとなしく流されてはいけない
老齢は日暮れに 燃えさかり荒れ狂うべきだ
死に絶えゆく光に向かって 憤怒せよ 憤怒せよ

賢人は死に臨んで 闇こそ正当であると知りながら
彼らの言葉が稲妻を 二分することはなかったから 彼らは
あの快い夜のなかへおとなしく流されていきはしない

彼らのはかない行いが緑なす入江で どれほど明るく踊ったかも知れぬと
最後の波ぎわで 叫んでいる善人たちよ
死に絶えゆく光に向かって 憤怒せよ 憤怒せよ

天翔ける太陽をとらえて歌い
その巡る途中の太陽を悲しませただけだと 遅すぎて悟る 気性の荒い人たちよ
あの快い夜のなかへおとなしく流されてはいけない

盲目の目が流星のように燃え立ち明るくあり得たことを
見えなくなりつつある目でみる いまわのきわの まじめな人たちよ
死に絶えゆく光に向かって 憤怒せよ 憤怒せよ

そしてあなた ぼくの父よ その悲しみの絶頂で
どうかいま あなたの激しい涙で ぼくを呪い祝福してください
あの快い夜のなかへおとなしく流されてはいけない
死に絶えゆく光に向かって 憤怒せよ 憤怒せよ


※松浦暢編『映画で英詩入門』(平凡社、2004)より

----------------------

先日、おかばぁで隣の席にいた、イギリス人のシェリーさんご夫妻に教えていただいたのが、この詩。
ディラン・トマスの代表作で、病床の父をうたったものだそう。
でも、激しいプロテスト・ポエムでもあります。
イメージが重くて、いいですね。これ以外のものも読んでみたいと思います。

ディラン・トマスを原文で、いくつか読めるサイト
http://www.artofeurope.com/thomas/index.html

ディラン・トマス自身による朗読が聴けるサイト
http://www.youtube.com/watch?v=rHHqA1CJLCs&feature=related
[PR]
by Fujii-Warabi | 2009-04-22 10:53 | 英詩・アイルランド詩・英語詩
<< シェイマス・ヒーニーを読んで 『紫陽』17号評 >>